新型コロナウイルスと過ごしたこの数か月を振り返る(備忘録)
小売店の売り場からマスクが消えた日
ウチの店は常時潤沢にマスクの在庫を持ってました。
マスクっていい商品だったんですよ、利益率は高いし在庫リスクは少ないし。
そんなマスクがある日突然売り場から、バックヤードから全て消え去りました。
まさに「パニックバイ」というやつで、来る人来る人みんなが
「マスクないの?」
「次のマスクの入荷はいつ?」
「マスクの予約したいんだけど!」
「マスク入ってくるだけ買うから取り置きしといて!!」
しまいにはスタッフが着用してるマスクに対して
「売り場に出さずに自分たちで買い占めてるんじゃないか?」
「あんたたちより客を優先するべきだろう!」
と、「ちょっと何言ってるか分からない」状態。
そしてフリマサイトはマスク祭。
オイルショックリターンズ
次に店から在庫が一掃されたのがトイレットペーパー、ティシュペーパー、キッチンペーパー。
マスクがなくなったのはわかる、でもコロナウイルスと尻拭き紙にどんな因果関係があるのかがさっぱりわからないんです。
「トイレットペーパーないの?」
「次の入荷はいつ?」
「予約したいんだけど!」
「入ってくるだけ買うから取り置きしといて!!」
しまいには来客用トイレに設置してあるペーパーに対して
「売り場に出さずに自分たちで買い占めてるんじゃないか?」
「あんたたちより客を優先するべきだろう!」
マジでマスクの時と同じ事言われちゃうわけですよこれが。
そしてフリマサイトは(以下略)
あ、来客用トイレのペーパーも盗まれてたなあ。
幸いペーパー騒動は短期間で済んだからよかったようなものの、もう少し続いてたらトイレを閉鎖せざるを得なかっただろうなぁ。
全国あちこちの店舗でスタッフの感染が相次ぐ
そして感染者を出した店舗が臨時休業に追い込まれる。
ちなみに知人の知人の知人ぐらいの方のお店に感染者が出て臨時休業したのですが、発覚後しばらく客からの電話が鳴りやまなかったらしいです。
「もしコロナがうつってたらどうしてくれるんだ!」
「感染したスタッフの名前を公表しろ!!」
「コロナの店で買ったものはいらないから返品させろ!!!」
正直この話を聞いてコロナも恐ろしいけど感情に支配された人間はもっと恐ろしいなと思いましたね。
未だに医療者に対する偏見や差別があるんでしょ?
ただでさえ病院では時折患者らしき人の怒号が聞こえてくるんですよ。
いやいや、未知のウイルスに手探りで体張って頑張ってくれてる人たちに対して何かあったら助けてもらう側の人間が差別の眼差しを向ける訳ですか。
冷静になれればわかるはずなんだけどなぁ、どう考えてもおかしいって。
#医療関係者への感謝のメッセージ
#物流業に感謝
#小売業に感謝
「最前線で頑張る皆さんに応援メッセージを贈ろう」
的なものも流行りましたね。
私は偶然物流と小売の端くれに存在する人間ですが、極端に落とされたり持ち上げられたりするのはどっちにしても座りの悪いものです。
願わくば称賛はいらないから罵声も遠慮してほしい、こちらとしては淡々と日々お客様の手元に商品を届けているだけなのでそっとしてもらえればそれで十分、と思ったものです。
この数か月の店は儲かったの?
・客数 → 減 (外出控え)
・客単価 → 増 (まとめ買い)
・売上 → 増 (まとめ買い)
・経費 → 増 (感染対策費・人件費)
収支としてはコロナ前と大きく変わりはありませんが、この数か月間ずっと神経を尖らせて働いていたこともあり疲労感はかなりのものでした。
緊急事態宣言が明けた事と、コロナ後で変わった作業手順にも慣れてきた事もあって少し落ち着きを取り戻しつつありますが、まだまだ油断はできませんね。
あまり先の事を考えすぎず、引き続き一日一日頑張るしかないですね。